(虫の画像が出てきます。苦手な方はご注意ください)
なんだか最近昆虫の記事ばかり書いておりますが、また虫の話です。
カフェっぽくなくてすみません。
先日、店を手伝いに来てくれた友人Mが、「今日家の中にに細長いアリみたいなハチが3匹もいた」と言いました。
ご近所に暮らすMの自宅にはこれまで様々な生き物が出没しており、なかなかに昆虫にも詳しい(2018年6月28日のブログ参照)。
「あれは巣穴に麻痺させたアオムシを捕まえてきて、生き餌にするヤツだよね」とのこと。
家の中にハチがいるのも嫌だけど、アオムシを麻酔で仮死状態にしたまま新鮮な餌にするってことは、アオムシが住居内に運び込まれる可能性もあるということで、それも相当に気持ち悪いです。
その後、Mがバイト時間を終えて帰った後、お客様もいなかったので草取りでもしようかと駐車場に出たところ、超低空飛行する細長い昆虫を目撃。
まさにMが話していた「細長いアリみたいなハチ」が、何やら緑色のものを抱えて運んでいます。
緑色のものは、案の定生贄アオムシ君。
後で調べたら、この細長いアリみたいなハチは「ジガバチ」という地中に巣穴を作るハチでした。
ほぼ地面を這うような高さでフラフラと、何度も着地しながらいかにも重そうにアオムシを抱えて浮かぶジガバチ。
自らの体長や体幅(おそらく体重も)を上回るアオムシを運ぼうなんてすごいなあ。
アオムシは麻痺しているようで、ほとんど動きません。
どこに巣があるのか知らないけれど、キミには少々荷が重すぎるのでは?
そんな状態でいったいどこまで運ぶ気ですか?
そう思って眺めていたら、ジガバチ、突如としてアオムシを放置。
写真中央のアオムシから離れて、左に少し移動しました。
そして移動先で、小さな石を続けざまに、横へ「ポイッ!ポイッ!」と投げ始めたため、何をしているのだろうとジガバチの様子に釘付けになる店長。
いくつかの小石が除かれると、そこには小さな穴が出現しました。
↓
ジガバチは表れた穴に頭から入っていき、何やらゴソゴソと整えている様子。
赤い矢印が穴とジガバチのお尻。
↓
そして穴から出てきたジガバチは、またアオムシの元に戻り、今度は飛ばずにアオムシを抱えたまま穴の方へ運びます。
白い矢印部分が穴の場所。
↓穴の入り口までアオムシを運んできました。
するとまたアオムシから離れ、今度はお尻から穴に入っていくジガバチ。
↓
そして体を穴に入れた状態で、アオムシを掴んで穴に引き入れる。
↓
「ヨイショ」
「ズリズリ」
「ズズ……」
「ズルル……」
「ズ……」
そして……消えました。
……うーん、スゴイ。
自分より大きな虫をゲットして持ち帰るのもスゴイし、穴の入り口を小石でフタしてあったのもスゴイ。
まずは穴に頭から入って巣穴の状態を整えてから、今度はバックで入ってアオムシを引きずり入れるのも感心しちゃう。
そしてその一部始終を呑気に観察している店長のヒマさ加減もすごいわー。
この穴の下には、いったいどんな世界が広がっているのでしょう。
ある程度広い部屋がいくつもあって、餌の貯蔵庫とか子供部屋とか、あるんだろうか。
哀れアオムシの運命よ。
そして思いました。
友人Mの家の中にジガバチがいたってことは、Mを餌にするべく3匹がかりで狩りに来たのかも。
Mがジガバチに刺されて運び去られることなく、無事にバイトに来ることができてよかった。
いや、まてよ。
もしかするとMの自宅がジガバチの巣で、Mはすでに半仮死状態のまま生き餌にされているという可能性も……。
そういえばなんとなくあの日のMは、ちょっとボーっとしていたような……。
Mの安否が急に気になりだした妄想店長です。