全中2024

  • 2024.02.09 Friday
  • 09:23

 

本日午前9時の気温、−4℃。

今週初めに降った雪で、そこそこ積雪はあります。

 

 

街中でも大雪だったようですが、café中寿美周辺も久しぶりの細かい雪が気が滅入るほど降り続く本格降雪で、30〜40センチほど積もりました。

ただ、この辺りにしては通常モードです。

 

ですから、店長、早朝に40センチの積雪を車が出せる最低限除雪して、いそいそと「全国中学校スケート大会」(フィギュアスケート)の観戦にお弁当持参で行ってきました。

毎年長野市内で行われている、中学生の全国トップクラスのフィギュアスケート選手が集う大会で、観覧無料。

中学生とはいえ、日本の場合フィギュアスケートは世界トップクラスの選手が多く、大変見ごたえのある大会なのです。

 

昨年同様開場時間の1時間前に到着して並びましたが、大雪の朝にもかかわらず多くの皆様が並んでいらっしゃいました。

その中に、昨年の常連オバサマ(2023年2月8日のブログ参照)を発見して嬉しくなった店長。

 

競技開始前の観客席が、なんだか去年までより埋まっているなあと思ったのですが、大会最終日の女子フリー最終グループの時点でなんと9割がた2階席まで埋まっていました。

確実に観客が増えていて、応援する選手の名前の入ったプレート掲げて声援を送ったりする方も多く、どうやら地元の方というよりは、全国から熱烈なファンが多く集まっているという印象を受けました(大雪にもかかわらず)。

そして以前は店長より年齢が上の年配の観客が多かったのですが、なんだか今年はお若い方が多かった気がします。

 

女子の注目選手(上薗恋奈選手)が棄権で観られなかったのは残念でしたが、去年注目した選手が今年順位を上げていることに喜んだりしながら、今回も楽しい観戦ができました。

来年も観られるといいなあ。

 

今回もメモを取りながら全選手観戦して、順位結果に関係なく注目した選手に印をつけているので(男女合わせて9名)、ご興味のある方は(おそらくいらっしゃらないと思いますが)お知らせくださいませ。

 

 

嬉しい出会い

  • 2023.07.24 Monday
  • 08:19

 

先日、お母様と娘さんと思われる女性お二人のお客様が、お帰りの際におっしゃいました。

 

「あの、いつもブログを拝見しているのですが……」

 

時々このような声をかけてくださるお客様がいらっしゃるので、嬉しくなった店長は「あ、ありがとうございますぅ!」と言いつつ、でも最近はすっかりnoteに移行して、ブログの方はお天気と気温と植物の報告状態になっているなあ、と内心思っていたのです。

すると、お母様が娘さんを指しておっしゃいました。

 

「あの、この子、実はスケートが好きで、今年『全中』も観に行って……」

 

え! 全中!

ということは、フィギュアスケートですね!

(詳しくはこちらのブログ参照

店長は毎年長野市で開催される「全中=全国中学生スケート大会(フィギュアスケート)」に行くのが恒例なのです。

そうかあ、あの会場に娘さんもいらしたのですね、と、スラッとして綺麗な娘さんを見つめる店長。

ある一人の選手だけをアイドル的に応援するのは「スケートファン」ではないので、「全中」とか見に行ったりしません。

彼女は正真正銘のスケートファンと見ました。

 

聞けば高校生の娘さんは、やはりフィギュアスケートファンのお母様の影響で、ここ半年ほどで急速にフィギュアスケートに惹きこまれたとのこと。

「誰か特別応援している選手とかいるのですか?」と店長は尋ねました。

フィギュアスケートの場合、滑りの系統というかタイプのようなものがあるので、どんな選手を好むかによってどんなスケートが好きなのかがだいたいわかるのです。

娘さんはすぐにまっすぐな瞳で店長を見て、「はい、あの、もう引退しちゃったんですけど」と前置きをして、「高橋さんです!」とのこと。

高橋大輔さん!

「わー! わたしも大好きです! 素晴らしいですよね!」と、店長も前のめりで応答。

 

娘さん:「大ちゃんのバンクーバー五輪の『eye』とか大好きで」

店長:「ホント『eye』素晴らしいけど、だいぶ古いプログラムですよね?」

娘さん:「昔にさかのぼってどんどん観ちゃって。大ちゃんのプログラムだと何が一番印象に残ってますか?」

店長:「『eye』も初見で惹き込まれた良プロで大好きですが、わたしはやっぱり『道化師』ですかね、2013年の」

娘さん:「あー! あの、全日本の羽落ちたやつですか?」

店長:「そう! っていうか、よく知ってますね」

娘さん:「他にはありますか?」

店長:「『白鳥』もすごく衝撃的でした」

娘さん:「あー! ヒップホップのですよね! いいですよね!」

 

その後も、「ヤグディンの〇〇……が素晴らしくて」「本田武史の……」などと彼女が話し始めたので、「あ、ごめんなさい、そのへんわたしわからないかも。でも、ということは、プルシェンコよりもヤグディンなんですね?」と店長。

「そうです!」とキラキラと目を輝かせる娘さん。

おそらく、高橋大輔が『白鳥』を滑っていた頃に生まれたであろう娘さんが、その画期的な振付の『白鳥』を今観て感動し、店長がフィギュアスケートをそんなに見ていなかった「ヤグプル(ヤグディンVSプルシェンコ)時代」&本田武史の活躍までも網羅しているのです。

素晴らしい時代になりましたね。

 

「高橋大輔が好き」「プルシェンコよりもヤグディン」「坂本花織、ジェイソン・ブラウン、チャ・ジュンファンが好き」ということから、大いに話が合いました。

あ、店長自身は宇野昌磨選手イチオシと話したら否定はしなかったのでおそらく宇野昌磨選手も。

「ステップ職人が大好きな、魅せて踊れるスケーターが好き」というのがわかります。

ここまでお話しできてしかも好みが合うフィギュアスケートファンにはなかなかお目にかかれないので、興奮してしまった店長。

 

店長のこのブログを読んで以前もご来店を試みてくださったそうですが、駐車場に何台も車が停まっていて混みあっていたために、この日改めてご来店してくださったそう。

なんかもう、ありがとうございます!

おかげで、年の差を超えて、同じ趣味の世界を深く語り合える幸せを感じることができました。

訪れてくださったこの日のように、平日ならたいてい閑散としておりますので、学生さんには酷かもしれませんがぜひまたのご来店、そしてオタクトークを楽しみにお待ちしております。

 

そしてその後、彼女が大好きな2010年バンクーバーオリンピックの高橋大輔SP「eye」を、久しぶりに観ました。

やっぱり今観ても、思わず声を出して拍手して唸ってしまうほど素晴らしい。

オリンピックの試合で、こんなに音楽に乗って魅せて踊れる選手、他にいないと思います。

 

高橋大輔さんの懐かしい演技と、とっても嬉しい出会いに心躍った店長でした。

 

 

 

 

ワールド観戦記

  • 2023.03.28 Tuesday
  • 17:15

 

先週末の営業を臨時休業いたしまして、大変申し訳ありませんでした。

半年近く前から予定していたのですが、実は、念願のフィギュアスケート世界選手権の生観戦に行っておりました。

今年は日本開催で、会場はさいたまスーパーアリーナだったので、埼玉在住のフィギュアスケートファンの友人と2人で行ってきたのです。しかも2日間。

1日目はアイスダンスRD(リズムダンス)・女子フリー。

2日目はアイスダンスFD(フリーダンス)・男子フリー。

両日ともに午前中から会場に入ることができて、公式練習の一部から見ることができます。

 

店長、もう長いことフィギュアスケートファンですが、生観戦は長野市内で毎年行われている中学生の全国大会のみで、ワールドトップクラスの選手の演技は、もっぱらテレビやネットでした。

でも、今年は思い切ってチケットを申し込んだら、当たった!

思わぬ出費に恐れおののいたけれど、最高の2日間でした。

 

競技の結果についてはフィギュアスケートに興味のある方はご存知だと思うし、興味のない方にとっては関係ないと思うのでここには詳しく書きません(最後にちょっと書きました)。

主に、はじめてフィギュアスケートの最高峰の大会を生観戦した会場の雰囲気を記したいと思います。

 

まず座席の埋まり具合です。

チケットが取れないと聞いていたフィギュアスケートの大会ですが、初めてのチケット申し込みで当たったので、もしかして今年はあまりチケットが売れていないのかな、と思ったのですが、全然違いましたよ。

店長は午前中の公式練習から現地で観ていたのですが、さすがに1日目の公式練習では座席は半分くらい空いていました。平日だったのもありますかね。

でもアイスダンスの競技が始まると徐々に席が埋まっていき、夕方から始まる女子フリーの頃には関係者席以外はほぼ満席に。

2日目にいたっては、公式練習の時点ですでに8割がた席は埋まっていて、アイスダンスの競技が始まるとほぼ満席、その後も競技の合間にどんどん人が入ってきて、男子フリーが始まる時点で最上階のめっちゃ高い場所の席までみっちり埋まり、1日目にはガラガラだった関係者席もぎゅうぎゅう満席の超満員。

すり鉢状に座席が並ぶ会場の天井ギリギリまで人で埋まっているその光景は、圧巻というか、壮観でした。

 

4年前にも同じ会場で同じ大会を生観戦した同行の友人は、「4年前はこんなに埋まっていなかった。男子フリーの最終グループまで空席が目立つ状態。せっかくアイスダンスも見られるチケットなのにかなり席が空いていた」と言っていました。

 

そして、その超満席の会場だけでもすごい景色なのですが、観客自体がもうすごいんです。

当然ながら会場ではテレビと違って実況解説もなく、技の種類や点数の速報値なんかどこにも表示されません。

それなのに、6分間練習中ですら大技が決まれば大拍手、しかも日本人選手ではない外国人選手であっても、です。

ワールドクラスの大会の会場なら当たり前のことかもしれません。でも、はじめて生でそのプロ観客魂を見た店長は、「同じような、いや自分よりすごいファンがこんなにたくさん集まっているんだ……!」と感激しました。

今季で引退する海外選手にも、観客たちは当然のようにそれをわかっているので、何度も惜しみない拍手を送ります。

そうだよね、スポーツファンってこういうことだよね、と改めて思いました。

 

そしてさらに感動したのは、素晴らしい演技をした選手には、どの国の選手だとしてもスタンディングオベーションと拍手、そして会場中にはためくその選手の国の国旗。

多くの日本の観客が、何枚もいろんな種類の国旗を持参していて、各国の選手の演技が終わると同時にそれを掲げるのです。

こんな観客の前で滑る世界各国から選ばれたトップ選手たちは、どんなに気持ちがいいだろう、どれほど嬉しいだろう、と思いました。

そして選手たちはそれに応えるように、本当に素晴らしい演技の連続でした。

アイスダンスも女子フリーも男子フリーも、ノーミス&スタオベの嵐で、「え、世界選手権って、こんなに神演技が続くものだっけ?」と思うほどに、力を出し切る選手たち。

店長もひざ掛けが床に落ちるのも厭わず、毎回スタオベを繰り返していました。

4年前も同じ会場で同じ大会を生観戦した友人は言っていました。

「4年前はこうじゃなかった。こんなに各国の国旗がはためいていなかったし、観客の様子もまったく違った」。

 

さて、選手の印象についても少し触れます。

これでも店長的には「少し」です。

アイスダンスの村元哉中・高橋大輔組の念願のノーミス演技を生で観ることができて感激です。会場は興奮のるつぼ。

やっぱり、村元選手は美しく、高橋大輔選手のカリスマ性はすごかったです。店長の周囲の観客のほとんどが泣いていました。

アイスダンス優勝のアメリカのチョクベイ組はさすがでした。円熟味が素晴らしかったです。

ジャンプがないアイスダンスは滑りの質が重要で、ベテランカップルの上手さに唸ります。

 

女子優勝の最終滑走、坂本花織選手は、滑り出したとたんに同行した友人とともに「……全然違う!」と思わず目を見合わせて感嘆の声をあげてしまうほど、それまで滑った他選手とは別格でした。

とにかくそのスピード、流れ、エッジの深さ、滑らかさ、ジャンプの大きさ、他選手とは違う段階にいる感じです。

一瞬で一目瞭然。

坂本花織選手こそ、ぜひとも生で観てそのすごさを実感してほしいと思う選手です。

 

そして大会を締めくくる最終滑走の男子優勝の宇野昌磨選手。

怪我の影響で本来の滑りではなかったけれど、それでもやはりこちらも別格でした。

会場全体が午前の公式練習での宇野選手のジャンプ不調を知っていて、それでも成功を熱望し、固唾をのんで演技を見守り、そして演技が終わる前にすでに皆が優勝を確信していました。たとえミスがあっても、です。

点数ボードなど表示されなくても、それがわかる観客なのです。本当に素晴らしい。

演技が終わって宇野選手が倒れこんだ瞬間は、超満員の会場全体が歓喜の渦に包まれました。ものすごい瞬間でした。

そのわりに、演技後リンクでの宇野選手の挨拶があっさりしていたのも彼らしくて印象的。

そして点数が出て優勝が決まった瞬間、わたしは隣の席の友人と抱き合い、その場に居られる幸せに浸りました。

 

 

各カテゴリの優勝選手たちは、2位以下の選手がノーミスの素晴らしい演技を続けた後に最終滑走者としてリンクに入る、という最高の舞台に満を持して登場するといった雰囲気でした。

会場はもう大興奮です。

そして、どのカテゴリの優勝選手もミスがありました。それでも、納得の優勝。

文句なしの結果で、そして文句なしの素晴らしい大会だったと思います。

 

ずっと心の中で選手たちに「ありがとう」と言いながら観戦してきました。

しばらく熱狂冷めやらずの店長でしたが、今週末から頭を切り替えて、フル営業をスタートさせたいと思います。

 

 

 

サウナはじめました

  • 2023.03.07 Tuesday
  • 15:05

 

「サウナはじめました」といっても、café中寿美にサウナスペースができたわけではありません。

いつも店と関係ないことを書いていて申し訳ありません。

 

店長、今年に入ってすぐ、サウナにはまりました。

今頃です。

もう何年も前からサウナブームで、これまでいろんなお客様に「サウナいいですよ」と言われていたのですが、二の足を踏んでおりました。

もともと暑さが苦手だからです。

ところが今年のはじめ、あるお客様ご夫婦からサウナを勧められてなぜかすぐに試したい気持ちになりました。

「男湯は激混みだけれど、女湯は空いていて狙い目」と聞いて、「女であること」あるいは「今のうち」のお得感を享受したくなったせいかもしれません。

 

何事もまず予習から、という性分なので事前にネットでサウナを利用するにあたってのマナーを学んでから、近くの温泉施設でさっそくチャレンジ。

長野は温泉施設がたくさんあるからとっても便利です。

サウナ→水風呂→休憩(外気浴)を3セットやってみて、いわゆる「ととのう」はよくわからなかったけれどなんだかとっても気持ちがいい。

何より、体の温まり方が、ただ温泉に入ったのとはまったく違うことに気づきました。

店長はもともと温泉にはよく行くのですが、サウナは帰宅して時間が経ってからも冷えません。

そして翌朝の肌の調子が抜群にいい。

「これは寒い季節を乗り切るのに絶好の習慣!」と、この冬、店の営業日が少ないうちにほぼ週2〜3のペースでいろんな施設のサウナを体験しておりました。

3セットやると1時間は軽く過ぎてしまうので、かなりの時間を費やすことになりますが、今年は雪が少なかったので除雪に時間を取られず、サウナ時間を作り出すためにやるべきことを効率的に片付けることになって、かえって冬時間が有意義に過ごせた気がします。

 

これまで、露天風呂の脇にイスやベンチが置いてあるのを見ては、「こんなところにわざわざ座る人がいるんだろうか」と思っていたのですが、サウナ利用者の外気浴のためだったのですね。やっとわかりました。

若い頃は、湯船に入らずに目をつむってボーっとしているおばさんを目にしては、「全裸で長時間いったい何をしているんだろう。冷えないのかな」と不思議に思っていた店長ですが、今自分がそれをやっています。

裸だろうが一人だろうが、人の目なんか気にならない境地に達しました。実際誰も見やしません。

若い頃ってどうしてあんなに自意識過剰だったんだろうなあ。

 

というわけで、サウナデビューいたしました。

残り少ない冬季営業期間の休日に、できるだけ通いたいと思っています。

 

全中2023

  • 2023.02.08 Wednesday
  • 09:22

 

このブログを読んでくださる皆様で、タイトルの「全中」がわかる方はおそらくほぼいないと思います。

「わたし、わかりますよ」という方がもしいらしたら、ぜひともご来店いただいてオタクトークを繰り広げたいです。

「全中」とは、「全国中学生スケート大会」のこと。

毎年この時期に長野市で開催される「スピードスケート」と「フィギュアスケート」の中学生精鋭選手が集まる全国大会です。

 

今年もお弁当持参で「フィギュアスケート」の方に、丸一日観戦に行ってきましたー。一人で。

競技開始時間より1時間も早く会場に到着したにもかかわらず、入り口には20人ほどの行列。

「前回よりも確実に人が多い……」とたじろぎつつ列に並ぶと、店長の後ろにもすぐに30人ほどの行列が。

観覧無料で将来のスター選手の生演技が見られるとはいえ、これほどの人が開場前に並ぶと思っていなかった店長、「もしかして選手の関係者も並んでいるのかな」などと考えていると、「中田君が棄権なのよね」という声が聞こえてきました。

店長も直前に得た情報で注目していた中田璃士選手の棄権を知りガッカリしていたので、声の主を確認するとすぐ近くに並んでいたオバサマがさかんに話をしていらっしゃいました。

 

「どの大会も観覧料がかかるようになっちゃって、こういう無料の大会はホント貴重なの。だからもうずっと最初から観に来ているの。羽生君が3連覇してその後宇野君が3連覇。ちょっと前で言うと駿君(佐藤)や佳生君(三浦)が優勝よね。駿君の時なんて本当に素晴らしくって。あ、鍵山君? そうねあの頃はまだそれほどじゃなくて(店長注:鍵山選手も別の年に優勝しています)。とにかく身近で選手が見られるこの大会は絶対に継続して欲しいの。長野市民にとっては本当にありがたいことなの。世界選手権だって今年は日本でやるから観に行くけれど。え? ああそうなの、チケット取れたの。でも今年はチケット取りやすいのよ。羽生君がいないから。羽生君だけ見たいファンはもう来ないから」

 

これを聞いた店長、自分以上のオタクが長野市内にしかと存在していることに感動を覚え、「まったくもって同感でございます」と激しく同意。

その後もオバサマは、

「テレビで見るのと生で見るのとはぜんぜん違うの。リンクカバー(リンクをどのくらい広く使えているか)とか生で見ないとわからないから。イナバウアーとか、テレビ画面と生観戦じゃ伝わり方がぜんぜん違うのよ」などとベテラン生観戦者としての意見をとうとうと語られており、心の中で「ついていきます!」と誓う店長。

 

やがて開場時間となり施設の中に入場するやいなや、案の定さきほどのオバサマは穏やかそうな出で立ちとは裏腹にダッシュ。

それを見た店長、さきほどの誓いどおり「彼女の後についていくが吉」と見て控えめに後を追います。

おかげさまで今年もジャッジ席真後ろの絶好座席を確保できました。まあ、そこまで走らなくてもこの時点では十分席は空いておりましたが。

 

全中のいいところは、観ている人の多くが技を知っていること。

選手が挑んだジャンプの種類などどこにも表示されなくても、今どれだけ難しいことをやったのか、それが失敗しても成功しても瞬時に反応して拍手する観客。

そして素晴らしい演技にはスタオベ(すみません、店長はしませんでしたが。賞賛の意思表示であるため後れを取るとかえって気まずく、ひざ掛けの上でメモを取りつつ観戦している店長にスタオベは難易度が高い)。

全中は、純粋にフィギュアスケートという競技を愛している人が観ている感じがして、とても居心地が良いのです。

といっても、店長の隣の席の女性はほとんど居眠りしてました。それもまたよし。

 

さて肝心の競技。

もうすべての選手が輝いていて素晴らしかったです! 

皆様にとってはあまり興味はないかもしれませんが、記録の意味も込めて順位結果に関係なく印象に残った選手を挙げておきます。

やっぱり島田麻央選手は小柄なのに中学生とは思えない貫禄でずば抜けていました。

中井亜美選手の姿勢と流れの美しさ、6分間練習で見せた3A-3Tにも感動。わたしの観戦メモには「いいものを見た」との記載が。

足の長い柴山歩選手は、全日本では初々しさを感じていたのに全中だと貫禄を感じる不思議。

男子優勝の田内誠悟選手は人気が出そうですね(もう人気なのかもしれませんが)。

高橋星名選手はリンクインから雰囲気があり、綺麗な滑りで何より楽しそうに滑っているのが印象的でした。

表彰台には届かなかったけれど、花井広人選手もこれからがとても楽しみです。

他にもコメントしたいけれどキリが無いのでこのぐらいで。

 

全選手の競技メモをとっているので、ご興味のある方がいらしたら(いないと思いますが)より深くご報告可能です。

3月の世界選手権では、前述のオバサマを現地で探さなくては、と思っている世界選手権も観戦予定の店長です。

 

 

将来の夢

  • 2023.02.03 Friday
  • 09:43

 

可愛いおばあちゃんになりたい。

「将来の夢」を語るには少なく見積もっても30年は過ぎている年頃ですが、今の店長の夢は「可愛いおばあちゃんになりたい」です。

 

先日、隣に住む姉がいつものように飼い犬「ぎん」を連れてやって来ました。

ぎんは13歳の雌のミニチュアシュナウザー。

術後の経過の関係で、もう半年も美容院に行っておらず、毛がボウボウで臭い。

にもかかわらず、店長はぎんが可愛くて可愛くて仕方ありません。

犬の13歳はもう年寄りだし、手入れされない伸び放題の毛でシャンプーもしていないからめっちゃ臭いのにマジ愛おしい。

 

ウザがられるほど「カワイーカワイー」と撫でて、「いいなあ、ぎんは『可愛い』って言われて。わたしなんて誰からももう言って貰えないんだよ」と店長が呟くと、まじめな顔をして姉が言いました。

 

「アタシたちはね、今、一番『可愛くない』時なんだよ」。

 

たしかに。

自分が可愛くないのは百も承知ですが、

たとえ実際可愛くなくても無条件に「可愛い」と言ってもらえる子供時代を過ごし、そして可愛くないのに「可愛いかも?」と思い込む勘違い時代を経て、やがて自他ともに認める「可愛くない」現在に至る。

 

姉が続けました。

 

「もっと年を取って、おばあちゃんになったら可愛くなれるかも。

 可愛いおばあちゃん。なれるといいね」

 

それを聞いた店長は、想像してみました。

このまま何年か年を経た自分。

もっと年を取って、もっと体の調子が悪くなって、もっと親しい人たちとお別れをして、もっといろんな出来事を経験した後の自分……。

そしてガックリと呟きました。

 

「か、可愛くない可能性がものすごく高い。

 っていうか、毒吐いてそう……」

 

要するに、ク〇ババアですね。

それでも元気で中寿美をやっていられたら、幸せ。

30年後、可愛くないおばあちゃんがcafé中寿美にいたとしても、皆様のお越しをお待ちしております。

 

 

ボサボサぎん。

最近、ご近所のお客様に「お姉さんとこのワンちゃん、もう一匹茶色の犬もいるの?」と言われてしまった、もともとはグレーのぎん。

そろそろ美容院、いかがでしょうか。

 

 

 

 

ごゆっくりどうぞ

  • 2023.01.19 Thursday
  • 11:12

 

先日、ある作家のエッセイを読んでいたら、

 

「喫茶店などで言われる『ごゆっくりどうぞ』にカチンとくる時がある」

 

と書いてあり、ドキッとしました。

皆様ご存じの通り、店長毎回言ってますね……。

好きな作家だったのでちょっとショックを受けて、おそるおそる先を読み進めると、どうやら以下の理由のようです。

 

「コーヒーでも出されながら、ごゆっくりどうぞーと言われると、こっちは今から原稿を書くんだ、あなたの想像を超える”ごゆっくり”を今からたんと見せてつけてやる……と謎の業火に独りでいきなり包まれたりする。コーヒー1杯で長居するつもりの自分のほうが絶対に悪いにもかかわらず、だ。つまりはその後の展開を深く考えずに発せられる適当な一言、というものにヤケに引っかかるタチなのだ。」

 

とのこと。

ほう……。

なるほど、わかります。

ものすごくへそ曲がりでメンドクサイけれど、この作家のそういう偏屈なところ、好き。大好き。

 

だから店長はこの愛すべき偏屈に、自らの理屈っぽい性分を前面に出して精一杯答えようと思います。

 

「café中寿美は回転率を気にするような店ではないので、店長が発する「ごゆっくり」は時間的なごゆっくりもある程度含みつつも、どちらかというと気持ち的なごゆっくりであり、「ゆったり」という意味合いが強いです。そしてあなたのような作家のかたが原稿を書く場所として利用してくださるのは、素晴らしい作品のささやかな一助となれるこの上ない幸せであり、ご来店を心から熱望しております。どうぞごゆっくり」

 

というわけで、店長の「ごゆっくり」はけっして「その後の展開を深く考えずに発せられる適当な一言」ではありませんよ。

むしろその後の展開を海よりは浅いかもしれませんが、井戸よりは深く考えております。

ぜひ、雪景色を眺めながら薪ストーブの暖かさの中で、ゆったりとした時間をお過ごしください。

どうぞごゆっくり。

 

 

 

あるファッション誌との決別

  • 2023.01.09 Monday
  • 09:41

 

ふだんファッション誌にまったく縁がない店長。

たまに行く美容院で渡されない限り、まず手に取ることがありません。

 

以前も記事にしたことがあるのですが(2016年1月29日2017年2月23日のブログ参照)、先日やはり美容院で久しぶりにゴリゴリのファッション誌『美ST』が目の前に飛び込んで来ました。

本当はその横にあった『天然生活』を見たかったけれど、あれから数年以上経過して紙面に何か変化があるかもしれない、なんて思って『美ST』に手を伸ばしました。

 

ページをめくってすぐに目に入ったのは、「アラ還美女」特集。

50代〜60代の、タレントでもモデルでもない(だけどかなり美しい)一般女性数人が、ヒールのブーツや皺や毛玉とは無縁の高級そうなドレスに身を包み、スタイリングに時間がかかりそうな一切白髪のないヘアスタイルで登場されていました。

皆さんすごくキレイで、そしてとても生き生きとハツラツとしていらっしゃる。

え、これで店長よりも年上? ありえない!

 

「この美女たちの経歴やいかに」と紙面の中を探すと、老眼鏡なしで読むには厳しい小さな文字で、それぞれの美女たちのプロフィールが記載されていました。

40代以上を読者層に設定した雑誌でこの文字サイズは配慮がないよね! とさっそくダメ出ししてみるも、彼女たちの経歴を読み進めるうちにみるみる意気消沈する店長。

このアラ還美女の面々は、皆様何らかの組織の経営者・オーナー・理事などを務められており、要するにものすごく稼いでいらっしゃる。

ということは、おそらくものすごく美容にお金をかけていらっしゃる。

さらに店長の目に留まったのは、これらの輝かしい経歴と華やかな健康法を背景に「成功と達成感によるドーパミンは心と体の若さに繋がります。」というフレーズ。

「成功」かぁ……。

何をもって成功というかは人それぞれですが、この方々が経済的成功をおさめているのは確かです。

素晴らしいなあ。

 

でも、どんなに無様でも精一杯生き抜いて最期を迎えればそれが成功者だと思っている店長は、人生の途中で「成功」と言い切ることに若干の違和感が。

したがって生きているうちに成功に辿り着かない店長はドーパミンを分泌する機会もないかな、日々小さな達成感を積み上げるしかないのかな……。

っていうか、心も体も若くなくてもいいかな。

実際若くないんだし。

 

とたんにスッと能面のような表情になって『美ST』を閉じた店長は、救いを求めるように『天然生活』に手を伸ばします。

そっと表紙をめくると、巻頭が長野市在住の横山タカ子さんの記事でした。

横山さんの肩ひじ張らない、それでいてちゃんとしたお料理が並ぶ紙面を眺めて、ホッとする店長。

そこに横山さんご自身の写真はありません。

ただ横山さんの作るお料理の写真があるだけ。

でもそれを見ただけで、横山さんの美しさがわかります。

 

『美ST』から『天然生活』への移動は、まるでテレビのチャンネルを民放の情報バラエティ番組からNHKをすっ飛ばしてAMラジオに変えたような、雑音が消えてスッと心がなじむ感覚でした。

年を取ったんだなあ。

 

「いろんな世界があっていろんな価値観がある、そして今わたしはここがいい」とあらためて思ったけれど、ちょっと待て、『美ST』も『天然生活』もどちらも自分で買って読んだわけではありません。すみません。

買ってもいないくせに「決別」とか「わたしはここがいい」とか何カッコつけているんだか。

せめて雑誌を買うくらいの経済的成功をおさめたまえよ、自分。

 

 

そういえば、新年最初のブログに料理のみならず自らの馬子にも衣装写真を載せていました。

『馬子にも衣装=つまらない者でも衣装によって立派に見せられることのたとえ』

いやはや、全然、まったく決別できていませんね。

おおいに迷いがうかがえるつまらない者の店長です。

 

オール5

  • 2022.12.17 Saturday
  • 09:29

 

以前、友人達と「子供の頃の思い出の品」を持ち寄るというテーマで集まったことがあります。

そこそこ優等生だった(気がする)店長は、自らの通知表を持参いたしました。

店長の通知表は、例えて言えば中寿美珈琲のようなもの。

つまり、100グラム何千円以上もするような希少価値のある高級豆ではないけれど、ある程度の品質が保証されたバランスのいい合格点の珈琲豆。珈琲好きが日常的に飲むのにピッタリ。

おお、我ながらなかなかいい例え方かも。

ようするに、通知表にも珈琲の味にもそれなりの自負があるのです。

 

ところが。

思い出の品を持ち寄るという女子会のメンバーに、やはり中学時代の通知表を持参したご近所の友人Mがいました。

店長が中寿美珈琲的通知表を披露した後に、まるでポーカーでロイヤルストレートフラッシュを切り出すかのように自らの通知表を取り出すMを見た瞬間、「あ、そういえば、Mは中学時代生徒会長で、さらに『オール5』を取ったことがあると聞いたような……」と芋づる式に記憶が掘り起こされます。

まずい、完全に店長の通知表、前座……。

 

そして広げられたMの通知表に並ぶおびただしい数の「5」。

すごい。

初めて目にする「オール5」。本当に世の中に存在するんですね。

これは、なかなかお目にかかれない希少性の高い高級珈琲豆コピルアク、はたまたブラックアイボリー?

ごめんなさい、わたしは安い豆です。

Mの高級通知表には国・英・数・理・社はもちろん、音楽・体育・美術・技術家庭科もすべてに「5」が並びます。

今の通知表がどういうシステムなのかは知りませんが、テストの成績が良ければ必ずしも「5」が貰えるわけではなく、さらには運動神経がいいからって体育で「5」が貰えるわけではありません。

そう、その科目に対する「意欲」「取り組む姿勢」すなわち授業態度が大変重要な要素となるのが当時の通知表。

テストでは確実に点を取るのに、グループ共同分担作業である調理実習や、興味のないものを作る作業になると完全にヤル気喪失だった店長が、技術家庭科で「3」を食らい続けたのもおそらくそういう理由。

 

とにかくそんな評価と採点によって限りある「5」がシビアに振り分けられる通知表で、オール「5」を取っていたM。

同時に披露された小学校の卒業文集の作文も、なんと「そもそも」で始まるという度肝を抜く書き出しで、文章力も子供と思えぬ超絶技巧の腕前。

さすが、カマドウマについての自作俳句を3首も唐突に送り付けてくるだけのことはある(2020年10月20日のブログ参照)。

変なヤツだけど、たしかに優秀だ。

 

でもそんなに一人で「5」を集めちゃったら、他の生徒に配る分が全然なくなっちゃうね。

世界の富もこんな風に誰かがガッツリ独り占めしているんだろうか? してるんだろうな。

だいたい、唯一「3」だった一番の不得意科目が家庭科なのにそれに通じる飲食を仕事にしている店長はバカなのか? バカなんだろうな。

だから富が集まってこないのか? じゃあ仕方ないよね。

通知表とはまったく関係ないことまで自問自答し始めて、貧富の格差を憂う(呪う)店長。

 

 

そして後日、友人Mの「オール5」エピソードを別のご近所友人Nさんに話したところ、Nさんが言いました。

 

「そういえば、わたしも中学の時オール5だったな」。

 

えええええ?! マジで?

驚く店長に、「うん、まあ、でも中学だから」と全然なんでもないようにサラッと流すNさん。

なんなんだ、飯綱高原は石を投げると「オール5」人間に当たるのですか?

「オール5」なんてそうそういないと思ってそこそこの優等生気分でいた店長、まことに井の中の蛙。

こんなに高級豆がウロウロしている飯綱高原では、「オール5」の通知表というのはもしや希少価値が若干落ちてゲイシャかブルーマウンテンになるのでしょうか?

となると中寿美珈琲の価値は……。

 

今後はご近所さんに出会うたびに、「オール5って取ったことありますか?」と聞いてしまいそうな店長です。

 

 

 

お母さんと一緒

  • 2022.11.09 Wednesday
  • 09:51

 

親戚のお姉ちゃんが、懐かしい写真を数枚送ってくれました。

色褪せたそれらの写真は20〜30年ほど前のものと思われ、どうやら撮影年はまちまちで、どれも親戚一同でお墓参りをした時のものでした。

大学生くらいの姉や店長も写っていたり、今はすっかり大人である若者たちがチビッコだったり、もう故人となった皆さんも元気に微笑んでいたりして、つい見入ってしまいます。

 

その中の1枚に、大きな麦わら帽子を被って墓石の前に立つ自分を見つけました。

やや眩し気に微笑むショートカットのこのオバサンは、まさに現在の自分。

「あれ? 最近お墓参りで写真なんて撮ったかな? こんな帽子持ってないけど」と、一瞬思った後に気づきます。

ハッ! もしやこれは、母⁈

そう、この人物は40代くらいの時の実家の母だったのです。

親戚から「ちーちゃん(母)にソックリ!」と言われ続けてきた店長のこれまでの人生ですが、まさか自らも己と見紛うほど似ていたとは。

ちょっと骨盤が開いた感じのオバサン立ち姿までソックリ。

 

『ドラえもん』で、過去から来たのび太の先祖や未来から来たのび太の子孫が、のび太とまったく同じ顔で描かれていたけれど、あれとまったく同じ現象は現実でも起きるのですね。

試しに夫にこの写真を見せてみると、「マジで⁈ 同じ顔じゃん!」と驚き、「あなたの未来はもうわかった」とのこと。

 

母のような未来なら文句はないけれど、若干店長の方が老化が進んでいるような気がします。

最近夫と2人で撮ったツーショットに、「うわぁ〜、なんかお母さんと息子みたいだね」などと失礼極まりない発言をする夫に腹を立てながら、もしかして自分は急速に現在の母に近づいているのではと不安が募る店長。

 

お墓の前での集合写真を眺めながら、なんだかんだ言ってても、そのうちみんなあちらの世界で集合するのかもなぁ、と時の流れに思いを馳せる秋です。

 

 

 

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