一番嬉しかったこと
- 2017.05.12 Friday
- 07:57
ある日、ご近所常連様Tさんから質問されました。
「今までで、『一番嬉しかったこと』ってなあに?」
え? 一番嬉しかったこと? ええと……。
店長が考えていると、すぐにTさんが言います。
「一番悲しかったことは、知ってる。だから言わなくていいわよ」。
あ、はい。その節は大変お世話になりました。
うーん、嬉しいことはいろいろあるけれど、「一番」ってひとつだけ挙げるとなると、すごく難しい。
店長が悩んでいると、Tさんが言いました。
「やっぱり、ウカイさん(店長の夫)と出会ったこと?」
あー、そうですね。それはもちろんそうだけれど……。
なんとなく、即答できない店長、逆にTさんに聞いてみました。
「Tさんは、『一番嬉しかったこと』って何ですか?」
すると、Tさんが答えました。
「私はね、孫と出会えたこと!」
あ〜!! そうかあ。
お孫さんと出会うには、娘さんに出会わないといけません。
そして、娘さんと出会うためには、ご主人に出会わないといけませんね。
そうですね、そうですね、いろいろ繋がって、そういうことですよね〜、と盛り上がるTさんと店長。
そして、店長は自分にとっての『一番嬉しかったこと(嬉しいこと)』を確信しました。
それは、『café中寿美を、やれていること』。
今現在、店を続けていられるのも、本当にいろんな人との出会いがあるからです。
夫ももちろんですが、家族友人親戚、ご近所様、そして何より、お客様です。
ある夜、夫にも聞いてみました。
店長:「ねえ、『今までで一番嬉しかったこと』って、何?」
夫:「えー? そうだなー……。あ、アレかな!」
店長:「何? 何?」
夫:「ガストの前で、1000円拾ったこと!」
店長:「え……?」
夫:「ガストの前の水たまりに、1000円札が浮いてたんだよ!
あの時、嬉しかったなー!」
……。
気を取り直して、姉にも聞いてみる店長。
すると姉は答えました。
「『一番嬉しかったこと』?
それはやっぱりアレだね!
カツ丼頼んだらね、カツが2枚重なってたこと!」
似てる。
夫と姉、似ている……。
「卵でとじられたカツがね、箸でつかんでみたら、下にもう一枚あるんだよ!
もうビックリ! ラッキー!! って感じでさ。
一緒に食べてた友達に見せて、大喜びして。
あまりの嬉しさにその人に分けることも忘れて、全部一人で食べちゃったね!」
喜びのカツの思い出を延々と語る姉を前に、『人ってホント、色々だなあ』としみじみ思う店長でした。
- 店長のひとりごと
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